「かみのいと」
和紙から生まれた天然繊維。

コンセプト

「抄繊糸(しょうせんし)」と呼ばれ、日本では既に奈良時代に存在し、実は麻や綿よりも古い歴史を持つといわれる「紙の糸」。 王子ファイバーは、すぐれた特性を持ちながら、量産がむずかしく、高価であったこの「紙の糸」に着目。紙に携わってきたノウハウをもとに、先端の設備と新技術により、独自の生産体制を確立。環境と肌へのやさしさはそのままに、最高の品質と利用しやすい価格の天然繊維「かみのいと OJO⁺(オージョ)」を生み出しました。

特性

紙糸繊維「OJO⁺(オージョ)」は、天然繊維(マニラ麻)の性質を有した、環境にとってとても優しい「天然のフィラメント加工糸」です。

 

紙を1ミリ以下の幅に細くスリットし、撚って糸にするため、糸の原料となる原紙は細くスリットしても切れない『強く、薄く、均一性のある紙』でなくてはなりません。麻は木材パルプに比べ繊維が長いので、優れた強度を持つ紙を作るのに大変適しているのです。「OJO⁺」は、マニラ麻の中でも、より強靱で上質とされる南米エクアドル産の麻を原料とする紙からできた糸です。強いだけでなく、従来の麻と比べて「軽く」「毛羽がなく」「とても触感のよい」繊維です。

素材面

環境面

  • 非常に軽い(紙との比重0.5g/cm3)
  • 毛羽がない
  • 洗濯できるほど強い耐水性
  • 高い吸水性と速乾性
  • 肌にやさしい
  • 麻以上のハリとコシ
  • さらっとした爽やかな触感
  • すぐれた通気性
  • 夏物衣料としての冷感
  • 冬物衣料としての軽さと保温力
  • 他繊維との複合に適した多用性
  • 高いサステナビリティ
    (原料のマニラ麻は生育が早く3年で成長)
  • マニラ麻は二酸化炭素の吸収に優れている
  • 化学肥料や農薬不使用の原料
    (ドイツCERESのオーガニック認証取得)
  • 生分解性を有する
    (土中の微生物により炭酸ガスと水に分解)
  • 焼却しても有害物質が発生しない

製造工程

1. 栽培工程

 

原料のマニラ麻を根元から伐採する。

2. 採繊工程

 

葉鞘を裂き、繊維を取り出す。

3. パルプ工程

 

特殊な釜を使い、強靱なマニラ麻の繊維を分解、紙の原料(パルプ)を作る。

4. 製紙工程

 

パルプから20,000m以上の紙糸原紙ロールを生産する。

5. スリット工程

 

原紙となる和紙をスリッターで1~6mmに細長く裁断し、テープ状にする。

6. 撚糸工程

 

紙糸テープに、独自技術で均一にコヨリを掛け(撚糸)、「OJO⁺」が完成。

他繊維との比較

繊維は、通常、化学繊維と天然繊維に大別され、それぞれ長繊維(フィラメント)と短繊維(スパン)があります。植物性の短繊維を原料に、長い紙をすくことで長繊維化させた紙糸繊維は、唯一の植物性長繊維。「OJO⁺」は、なめらかな長繊維と天然の麻の良さを合わせ持ったフィラメント加工糸といえます。

天然繊維

化合繊維

(化学繊維)

植物性

動物性

長繊維

(フィラメント)

  • 紙糸繊維
    (抄繊糸)
     
  • OJO⁺
    (フィラメント加工糸)

 

  • 絹(生糸)
  • ポリエステル
  • アクリル
  • ナイロン
  • 化学繊維
  • レーヨン

短繊維

(スパン)

  • コットン
    (紡績法)
     

  • (紡績法)
  • ウール
    (紡績法)
     

  • (紡績法)

※マニラ麻とは

紙の原料といわれると、木を連想しますが、「OJO+」の原料となるマニラ麻は、草の一種で、多年生草本類。フィリピンやエクアドルなどに生息する、別名「アバカ」と呼ばれるバショウ科の植物です。苗から原料となるまでおおよそ3年で、高さ5~6m、直径40cmまで成長します。空気を多くふくむ多孔質の繊維なため、とても軽量。真水はもちろん、海水にも強い、極めて耐水性の高い繊維です。

製品案内

製品は大きく分けて、テープと撚糸があります。

テープ

撚り糸

認証

「OJO⁺」は、基準の厳しい世界的な認証をダブルで取得しています。

OEKO-TEX®

 

スイスが本部の繊維製品に対する安全基準「エコテックス」では、 “赤ちゃんの口に触れても安全”という最も厳しい「クラス1」を取得。

>> OEKO-TEX® 公式HPはこちら

CERES

 

化学肥料や農薬不使用の原料であるため、有機認定条件が厳しいドイツCERESのオーガニック認証を取得。

>> CERES 公式HPはこちら